MBA取得のメリット

近年、MBAへの注目度が高まっています。それは、社会が大きな変革を迎える中でキャリアアップを目指すには、現在の延長線ではなく、自分自身を飛躍させられる力をつける必要があると考える人が増えているからです。そうした方のために、ここでは、MBA取得の意義について考察していきます。

一方で、「MBAを取得しても意味がないのでは?」という意見があるのも事実です。 なぜ「意味がない」と思われてしまうのか、その理由と、「意味はある」ということを解説します。


MBAを取得する4つのメリット

1)経営に必要な思考力・判断力を習得できる

MBAは、経営に関する流行のキーワードを表面的に学ぶものではありません。自らの問題意識に基づいて課題を設定し、それを解決するために、経営学のフレームワークを使い仮説を立て、それを検証して解決策を見つけていく、そうした高度な思考力・判断力を習得していくことにこそ、MBAを取得する意味があると言えます。
経営の背後に存在するメカニズムを解明し、それを標準化することで、異なる状況にも適応できるマネジメント能力を習得していきます。

2)企業がMBA人材を求めている

現代のビジネス社会は、デジタルやグリーンを軸としたトランスフォーメーションの流れがより一層強まり、刻一刻とその環境を変化させています。また、サステナビリティ経営といったビジネスを本質的に見つめ直すことが経営に求められるようになってきています。
そのような中、企業は複雑で不確実な時代に適応できる、MBAを取得した高度専門人材を求めています。MBAは、経営学の体系的な理解をもとに、ビジネスの実践的なスキルを身につけるためのものであり、それにより不確実な現代社会の中でも活躍できる人材として成長することが、大いに期待できます。

3)幅広い人脈を形成できる

MBAが取得できる大学院、ビジネススクールには、多様なコミュニティに属する人が集まるため、幅広い人脈を形成できます。
MBA取得を目的とする人々は「自らの成長」に重きを置き、自身のキャリアプランに高い目的意識を持つ人が多くいます。プロフェッショナルを志向する者同士が、MBA取得を目指す中で深いディスカッションを重ねていくことで絆が生まれ、社内の競争や利害とは別のそうした関係は、修了後もあなたの人生の中で長く続いていくはずです。

4)プロフェッショナルとしてのロールモデルに出会える

MBA取得を目指すにあたり、「MBAで何を学ぶのか」、さらには「自らのキャリアプランをどう考えるのか」という課題に、あらためて向き合うことになるでしょう。
MBAでは、仲間と切磋琢磨する中で、プロフェッショナルとしてのロールモデルとなり得る志の高い人材との出会いも期待できます。

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MBAはなぜ「意味がない」と思われてしまうのか?

MBAの学位を取ることに「意味がない」という意見もあります。なぜそう思われるのか、そして「意味はある」ということを解説します。

1)具体的なメリットを想像しにくいから

MBAは大学院やビジネススクールを修了することで取得できる「修士号」です。中小企業診断士や公認会計士に代表される「国家資格」ではありません。そのため、国家資格にあるような、資格取得者にしかできない業務がMBAの場合には存在しないことから、仕事においての具体的なメリットを想像しにくいというのが第一の理由でしょう。
しかし、MBAのカリキュラムで学べる内容は、ビジネスの現場において応用できる理論に基づいた考え方や実践的なスキルです。重要なのは「修士号か国家資格か」ということではなく、習得できる内容が自身のキャリアプランに見合っているかどうかを考える必要があると言えるでしょう。
MBAで習得できるプログラムの内容についてはこちらのページで詳しく紹介しています。

2)考え方が固まってしまうイメージがあるから

MBAに対する否定的な意見の一つに、「MBAで学ぶ経営学は古典的なもので、移り変わりの激しいビジネス社会においてそのまま通用できる内容ではない」というものがあります。
しかし、実際のMBAプログラムにおいては、理論をしっかり身につけた上で、現実のケーススタディを多く取り扱います。つまり、考え方が固まってしまうのではなく、基本を押さえた上で最新の状況に応用する力をつけることができるのです。

3)理論よりも実務経験が重視される傾向があるから

ビジネスの現場においては、実務経験を積み上げることがより重要視され、理論を学習することに対する懐疑的な見方もあります。
しかし、マネジメントを目指すには単に実務経験を積めばいい、というものではありません。MBAで学ぶ内容がビジネスにおいてより大局的にものごとを考えることに繋がるはずです。
一橋ビジネススクールの学生の中にも、「一定の実務経験を積んできたが停滞を感じ、自身をもう一段ステップアップさせるためにMBA取得を決めた」という人も多くいます。

4)費用・時間的な負担が大きいから

一般に、MBAの取得費用は数百万円単位となるとされ、海外留学の場合は現地滞在費用も加わり高額となります。また、予復習を含め多大な時間的負担が発生するので、社会人が仕事とMBAを両立させる場合、時間の捻出が課題となってきます。そのような中、「実際にそれだけの負担に見合うだけの成果を本当に得られるのか?」と不安視する声も少なくありません 。
しかし、最も大切なのは「学べる内容が自身の目的に合っているか」ということです。自身に最適なプログラムを考えた上で、類似するプログラムが複数あれば、例えば平日夜間・休日プログラムやオンラインプログラムを選択することで仕事との両立を可能にする、授業料の低い国立大学を選択することでコストを抑えるなど、工夫することができます。
MBA取得にかかる費用についてはこちらのページも併せてご覧ください。

現在、MBAを目指すべきかどうか迷っている方は、MBA取得によって何が得られるか、それは自分自身をいかに高めることになるか、じっくり考え、答えを見つけてみてください。


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